今こそ手紙で育む「スロー恋愛」始めてみませんか?

「…一目見たときから、あなたのことがずっと好きでした。あなたのことを思うと、好きな気持ちが込みあげてきて、夜も眠れないほどです。もしよかったら、付き合ってくれませんか…」

こんなベタなラブレター、十数年前は普通にありましたよね!?

今はメールやSNSでのコミュニケーションが主流になっているので、愛の告白に手紙を使うことが少なくなりました。でも手紙にしかない良さもあるんですよね。手紙にしたためるアナログな愛の告白。現代の「無駄をしない」「手っ取り早く」のデジタル恋愛に疲れたあなたにこそ、手紙で始まるスロー恋愛をお勧めしたいと思います。

●手紙で伝えることの良さ

ラブレターは、一方通行のメッセージ。最初の挨拶からはじまり、相手の現状を労い、自分の想いを告白して、告白の返事を願い出る。ここまでを独り舞台で完成させます。

相づちも返事ももらえないまま、一気に要件を伝えなくてはいけないので、文章の組み立てにも注意しながら、何度も悩んで文面を練っていきます。それはそれは大変な作業なのですが、その過程で自分の頭の中を整理できるというメリットはあります。また燃え上がる想いをラブレターに込めようする様子が、文面や文字から生き生きと伝わってくるのです。

一方メールはというと、短文が主流ですよね。

「最近元気してる?」
「うん、元気だよ~」

中略(世間話)

「あのね、ちょっと聞きたいことあるんだけど」
「え?なになに?」
「今も彼女とうまくいってるの?」
「別れたんだよね~」
「そうなんだ。じゃあ今フリーなんだ」
「そうそう」
「え、じゃあ私、彼女立候補してもいいかなあ…?」

こうしたやりとりですね。一言ずつレスポンンスが返ってくる、チャットのような形式の告白。一度にいくつもの内容を含ませず、会話をしているように一言一言コミュニケーションを進めます。

実際の会話と違うのは、対面していない分だけ、自分ペースで冷静に話を進められるところ。挨拶から現況報告でなんとなく雰囲気を掴み、しっかり準備運動をしたうえで本題に切り込めます。その振り方も、もしも相手に恋人がいたり、あからさまにその気がないようなレスであれば、すぐさま引き返せるような予防線を引きながら。自分が傷つかないよう、細心の注意を払いながら告白をしていけるのですね。

そういった意味で、短文メッセージでの告白はどこか臨場感に欠けるのです。それに既読マークがつくLINEなら、返事が返ってこなくとも相手がメッセージを読んだかどうかまで分かってしまいます。

手紙による告白は、文章や文字、渡し方など、なにからからなにまで自分発信で完結し、そこから相手の出方を待つスローなスタイルです。対してメールでの告白は、ワンアクションするたびにあらゆる情報が入ってくる。言い換えれば毎回情報に振り回されながら、告白を進めていくスタイルなのです。

どちらがいいかは、好みの問題かもしれません。しかし現代は恋愛に関しても情報と選択肢の多さに翻弄されて、結局若者の恋愛離れという状況に陥っていることを考えれば、あえてどんくさいラブレターを試してみる価値はあるかもしれませんね。

●成功率が上がるラブレターの書き方

この時代に手紙での告白を推しているわけですから、やはりラブレターの書き方についても触れておかなければいけませんね。

ラブレターを書く上で一番大切なことは、素直に気持ちを伝えること。当たり前のことですが、これがなかなか難しいんです。とくにメールのコミュニケーションで、逃げ道を作りながらやり取りをする技術を身に着けた人にとっては、とても照れくさくて自分自身が丸裸にされたような気持ちになることでしょう。

ラブレターの主旨が「好き」と「付き合って欲しい」である場合、自分の気持ちを多くの言葉で説明しながら、かつこの二つのメッセージを簡潔に伝えなくてはいけません。直接的に想いを伝えるのが怖くて長々と回り道ばかりした文章だと、「いったい何が言いたいんだろう」としか思えない魅力のないラブレターになってしまいます。

そしてラブレターに大切なことがもう一つ、「文章で口説く」テクニックです。「好き」「付き合って欲しい」この二つを伝えるだけなら、ただの電報でいいのです。電報にはないラブレターの特徴は、情熱的に気持ちを伝えられるロマンティックな性分です。

ラブレターを読んだ相手が「こんなに自分のことを想ってくれているんだ」と愛の深さに感銘を受け、それがきっかけで恋愛感情を持ち始める可能性もあるのです。

日頃、なかなか文章を書く機会がない人は、自分の気持ちを赤裸々に綴るラブレターを書き上げるには大変な苦労を伴うでしょう。でもその苦悩の中から絞り出した言葉は、相手にしっかり伝わるものです。文章のうまさは必ずしも必要ではありません。大事なのは、あなたの気持ちを伝え、そこに共感してもらうことなのです。ですから文字もできるだけ丁寧に、心を込めて書きましょう。

ラブレターで始まる恋愛。今の時代だからこそ、逆に粋な計らいじゃありませんか?
筆記用具や便箋にもこだわって、あなたの想いがたっぷり込められた一枚に仕上げてくださいね。