ファーストフードならぬ、スローフードがブームの今。恋愛市場もスローがトレンドだと言いますが、いったいスローな恋愛とはどんなものなのでしょうか。
●スロー恋愛のいいところ
異性にガツガツ食いつくことなく、相手との関係をゆっくり進展させるスロー恋愛。イメージ的には合コンで出会った相手と即付き合うという肉食系の恋愛の逆ということですね。スローな恋愛関係のメリットは、相手のスペックにとらわれることなく、真の中身を見てから付き合うことができるということでしょうか。初対面の相手の性格や本質は、すぐには分からないものですよね。スピーディーに恋愛を進める肉食系の人たちは、相手から申告されたスペックと、フィーリングだけを頼りに判別します。対してスロー恋愛派は、その二つも加味したうえで、相手の中身をよく知ってから恋愛関係へと至ります。
肉食系の恋愛は、外見や条件に優れている人たちにとっては、有利な方法かもしれません。モテる人ならば、とりあえずその場で関係を築いておいて、あとでゆっくりと取捨選択することも可能です。でも特別優れたスペックも持ち合わせていない人にとっては、なかなか入っていけない弱肉強食の市場ですよね。
スロー恋愛派同士なら、持ち前の性格をゆっくりとアピールすることができます。パッと見では分からない、優しい部分や責任感がある頼もしさ、真面目な性分を知ってもらうことで、恋愛関係へと発展させることができます。
スピーディーな肉食系恋愛とスロー恋愛、どちらが優れているかというものではありません。でもスロー恋愛が浸透することによって、これまであまり恋愛に縁がなかった人にも、恋愛のきっかけが増えるならいいことですよね。
そこでスロー恋愛をするために大事なことを、4つまとめてみました。
●友達と恋人を線引きしない
会ってすぐに、相手が恋愛対象がどうかをジャッジしてしまうことは、恋愛の機会を減らし、恋愛対象を狭めてしまうことにつながります。異性をすぐに線引きせず一個人として接すると、その後の関わりでどちらにも持ってくことができますよね。
男女間の友達から恋人に発展するスロー恋愛によくあるパターンは、そうした感覚を持っていないと不可能です。友達になれるほど相性がいいのに、最初から「恋愛対象じゃない」と切り捨ててしまうのはもったいないですよね。異性に偏見を持たず接することで、スロー恋愛を育むチャンスがアップします。
●年間のイベントは気にしない
クリスマスや年末年始、バレンタインなど、イベント時期になると街は恋人気分を盛り上げるムードで一色になります。じつは経済効果を狙ったマーケティング戦略でしかないのですが、ついつい乗せられてしまいます。
「もうすぐ年末イベントなのに、ひとり寂しく過ごしたくない」と焦って適当な相手と付き合い始めたり、まだ様子見段階の恋人との進展を急いでしまったり。それらはあまりいい結果を招きません。
恋愛のタイミングは、それぞれのカップルよって違うはずです。バレンタインだからといって、誰もが告白のベストタイミングを迎えるわけではありませんよね。世の中のイベントに惑わされて自分たちのペースを乱されることのないよう、しっかりと独自のものさしで良し悪しを判断できる力が、スロー恋愛には必要なのです。
●お互いにルールを作らない
相手を自分に振り向かせるために、多くのルールを作ってがんじがらめにしてしまう恋愛は、とても窮屈です。一般的な価値観に左右されないスロー恋愛を目指すなら、ルールで相手を縛る必要はありませんよね。それぞれのパーソナルスペースを尊重したまま、一緒にいて楽しい、付き合うことでより高め合えるといった関係が理想です。
ルールを作る方、強いられる方で上下関係ができてしまうのもよくありません。せっかく中身をじっくり見て互いに分かり合える、対等な関係を築くスロー恋愛の良さが台無しです。
●先入観に惑わされない
先述した通り、スロー恋愛は互いのスペックや外見にとらわれないことが特徴です。自分が持っている勝手な先入観を働かせすぎると、相手の本当の姿が見えなくなってしまうことがあります。
「この人は趣味が多いから、きっと一緒にいて面白いに違いない」
「いつも連絡をマメにくれるので、気遣いのある優しい人なんだ」
このような思い込みは、相手の性格をじっくり判断しているようで、じつは少し違います。「〇〇だから〇〇のはず」という先入観からの期待にすぎません。もし現実はその期待通りにいかなかった場合、ただただ幻滅するだけです。勝手な期待が外れたことにより、無実の相手を責める行為にもつながります。
推測はあくまでも推測です。相手の中身を見るときは、主観を交えず、実際に見えたことだけを頼りにジャッジするやり方が正解です。
●スロー恋愛はニュートラル思考から生まれる
性別を強く意識することで、見えるはずのものが見えなくなってしまうケース。また相手の社会的地位や立場が邪魔をして、人間性を正しく評価でない場合もあるでしょう。
相手と互いに分かり合えるスローな付き合いを目指すなら、極めてニュートラルな思考を持つことが近道になるのかもしれませんね。